地球上に小さな生命が誕生して以来,生きものは長い時間をかけて枝分かれし,進化をしてきました。
川、海、草原、森林などの自然環境と、そこに生息するすべての生きもので構成される空間を生態系(自然生態系) といいます。
私たち,人間もそのひとつです。
わたしたちの周囲では,個々の生きものが,特有の遺伝子を受け継ぎ,種を守りながら,生態系を構成しながら,存在しています。
人間の活動によってこのバランスを崩すことないよう,生態系をまもり,そこにいる種をまもっていくことが必要です。
生物多様性を保全していくために行っている,広島県のさまざまな取組みについて紹介します。
広島県における生物多様性の保全及び持続的な利用に関する基本方針や総合的かつ計画的に対策をとれるよう,
平成25年3月に「未来へつなげ命の環!広島プラン~生物多様性広島戦略~」を策定しました。
このプランの中には,「生物多様性保全を支える基盤づくり」,「生物多様性保全のための条例等の見直しの検討」,「生物多様性の県民への周知(普及啓発)」など,様々な県の施策が盛り込まれています。
生物多様性保全に必要な取り組みは多岐にわたり,その推進主体も行政,地域住民,NPO法人,企業,専門家,県民などと様々です。
保全活動をより効果的に推進していくために,それぞれの主体の役割や得意分野を生かし,これらの主体と協働・連携を促進するための体制を作り,生物多様性保全を支える基盤づくりを進めていきます。
(未来へつなげ命の環!広島プラン 戦略2)
生態系は様々な野生生物の種が互いに関係を持ちながら成り立っており,生態系の構成要素である1つの種が欠けると他の種にも影響を及ぼします。
種の絶滅を回避するための取組はその種の固有の遺伝子を保護するだけではなく,その種が構成要素となっている生態系を保全するうえでも重要です。 (未来へつなげ命の環!広島プラン 戦略4)
広島県では,県内の貴重な野生生物の種の保護を図り,絶滅を防止し,保存することによりこれを共通の資産として次代に継承するため,「広島県野生生物の種の保護に関する条例」を制定し,平成7年1月20日に全面施行しました。
しかし,野生生物の生息・生育状況は年々変化しています。
広島県における生物多様性の現状を調査・把握し,その結果に基づき,「広島県野生生物の種の保護に関する条例の指定野生生物の見直し」,「保護区の指定」等,現状に即した適切な運用を図るよう,検討します。
生物多様性の保全について,理解を深められるよう「広島県生物多様性総合情報サイト~生物多様性を知ろう~」を平成25年5月に開設しました。
当サイトでは,
〇県の生物多様性に関する様々な取組の紹介
〇最新版レッドデータブックひろしま情報
〇県条例指定種に関すること
〇外来種に関すること
〇生物多様性に関係するイベント情報の掲載(県内で開催されるもの)
〇活動団体の紹介
などなど,広島県の「生物多様性総合情報サイト」になっています。
未来へつなげ命の環!広島プラン~生物多様性広島戦略~に基づく県の業務も当サイトで紹介しています。
広島県では,外来生物や絶滅危惧種などの生き物の目撃情報を募集しています。
県では,野生生物の保護を進めるために鳥獣保護区などを指定し,生息・生育域の保全に努めています。
また,一方では,ニホンジカによる希少植物などの食害やイノシシによる農林水産業への被害が深刻な状態になっているため,適切な個体数管理を行うため特定鳥獣保護管理計画を策定しています。
近年,ツキノワグマなどの地域的に個体数の減少がみられる野生鳥獣がある一方で,イノシシやニホンジカなど特定の鳥獣や外来生物の生息数増加や生息域拡大等により,生態系や農林水産業等への被害が深刻化しています。
こうしたことから,広島県では,科学的知見に基づき「個体数管理」「被害管理」「生息地管理」を総合的・計画的に行う「ワイルドライフ・マネジメントによる保護管理」を推進しています。
イノシシによる農林業被害やニホンジカによる植生被害などが高止まりの状態の中,狩猟人口が減少・高齢化して
おり,これからの野生鳥獣の保護管理体制を維持するため,捕獲の担い手となる人材の確保が急務になっています。
本県では,環境省が平成23年9月に発表した「野鳥における高病原性鳥インフルエンザに係る対応技術マニュアル」に基づく野鳥のサーベイランス(監視)を実施しています。
野外における野鳥の異常の有無を監視し,必要に応じ検査を行うとともに,高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出された場合には,公表し,関係機関や関係住民等へ周知することにより,対策の強化を図ります。
野鳥のサーベイランス(監視)について
野生鳥獣は,ある程度のケガでも自然に回復するたくましさ(自然治癒力)を持っています。
人為的な保護は鳥獣の野生復帰を困難にさせる場合が多く,それが野生鳥獣にとって必ずしも良いこととは限りません。
手を差し伸べる前に,ちょっと立ち止まって,ケガの様子を観察してみてください。
なお,野生鳥獣の捕獲(保護飼育を含む)は法律で禁止されています。
毎年,春から夏にかけて,「落ちていたヒナを保護しました。どうしたらいいの?」というお問い合わせを100件以上いただきます。
野鳥のヒナは自分たちの力で生きていける大きな力を持っています。
一方で,自然の営みの中では,毎年多くの生き物が命を落としており,全てのヒナが大人になれるわけではありません。これは,自然の摂理です。
また,ヒナを人間の手で育てることは,専門家であってもとても困難なことであり,親鳥だけがヒナに飛び方を教えたり,餌の取り方を教えたりしながら育てることができ,ヒナに野生で生きていくたくましさを教えてやれます。
ヒナを育てるのは,やはり,親鳥が一番です。親鳥が育児ができるよう応援してやってください。
【巣から落ちたヒナ】巣立ち前のヒナは巣から落ちることがよくあります。
スズメやツバメ等巣立ち前のヒナを発見した場合は,親鳥のいないときに巣にもどしてやってください。
巣に戻すことが難しい場合は,ヒナを小さな箱などに入れ,巣の近く(見える場所)においてやってください。親鳥が世話をすることがあります。
【巣立ち直後のヒナ】巣立ち直後のヒナは完全には飛べません。
巣立ちしたヒナ(羽が生えそろっているヒナ)を見つけた場合は,発見者が気が付かなくても近くに巣がある場合や親鳥がいることが多いので大丈夫です。
そのあたりでしばらく過ごす間に,親鳥がしっかりヒナに餌を与え,充分にそだったところで,ヒナは一人立ちします。
こうした野鳥を見つけた場合は,そっとその場を離れてやってください。近くできっと親鳥がヒナのことを見ています。
そのヒナを拾って持ち帰った場合,親子を引き離してしまうことになります。
みなさんは,親鳥の子育てと,ヒナの一人立ちを応援してやってください!
※広島県は,(公財)日本鳥類保護連盟の「ヒナを拾わないで!!キャンペーン」に賛同しています。
H29 ヒナを拾わないで (PDFファイル)(1.79MB)
皆様から,よくお問い合わせをいただく「宮島のシカ」についてまとめています。お問い合わせの前にご一読ください。
野鳥の違法捕獲及び違法飼養の事例が全国各地でみられることから,国の指針により平成24年4月1日から愛がん飼養のためのメジロの捕獲が原則禁止されることとなりました。
これを受け,広島県においても第11次鳥獣保護事業計画の中で愛がん飼養の目的のための捕獲を廃止することを明記し,平成24年4月1日から愛がん飼養のための捕獲を許可しないこととしました。
※自然公園法の概況・種類等(法規制のページ)
・ 自然環境に配慮した河川の整備を推進します。
・ 海岸・海浜や海の自然の保全と再生を図ります。
・ 河川・海岸・港湾等の環境整備における親水施設等の整備を行います。
広島県の優れた自然資源を活用した環境学習を推進しています。
広島県瀬戸内海環境保全・創造プランの概要 | |
瀬戸内海の環境の保全に関する広島県計画 | |
瀬戸内海の環境の保全に関する広島県計画に基づく行動計画 |
制度の概要 | |
せとうち海援隊の活動紹介 |
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)